のど自慢の鐘
ときどきのど自慢をテレビで見る。さいきんの歌はほとんど知らないから、歌そのものというより、歌っている人が鐘二つかそれともキンコンカンなのか予想して、当たったり当たらなかったりするのを楽しんでいる。 少し以前になるが、のど自慢の鐘を鳴らす係だった人の話を放映していた。番組企画をする人から、次のように言われたそうである。 ――鐘を鳴らすさい、審査員から告げられる「鐘二つ」「鐘たくさん」という結果をただそのまま鳴らすだけでなく、「残念でしたね」とか「よかったですね」という気持を込めて、鐘を鳴らしてください―― 何かわかるような気がする。気持が込められた鐘の音は、ただ器械的に鳴らす音とは違うだろう。人間にしかできない、AI がとって代わることができない心の部分があるに違いない。