言えなかったことば

「英語が話せないんです」情けなくて…という感じで若い人が言った。その場にいた私と同年配の人が「英文科卒なのに?」と言った。

すでに惨めな思いを話している人に対して、ひどいことを言うと思った。でも、どう言えばいいのか、言葉ば見つからない。黙ってその場にいた私は、その言葉に賛成していたことになる。

そろそろ卒寿を迎える私たちが学生のころ、聖心大の一年次生は、8時から10時まで10分の休み時間をはさんで英語授業だった。一学年110人くらいの時代で、能力別に10クラス位に分かれていた。10人そこそこのグループで英語国人のシスターに教わった。当時、土曜日にも授業があったと思う。語学学校のようなもので、うまくならなければおかしい環境だった。さいきんの状況とは、全く違う。

それに英語が話せるからって、別に上等な人間であるわけでもなし。私のなかでいろいろな思いが重なり、言葉にできなかった。

今になって、そのまま「なんてことを言うの」と言えばよかったと思う。自分にダメ出しをしたくはないけれど、やっぱり後悔する。


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