画家の目
よく見るテレビ番組に「なんでも鑑定団」がある。絵画や陶器、ときにはバイクなどの鑑定を希望する人がその品物をもって登場し、専門家が鑑定をする。品物が本物だったり偽物だったり、予想・希望価格が当たっていたり、外れていたりで、楽しませてくれる。
先日の番組では、高島野十郎の絵をもってきた人がいた。番組では、まず作者の紹介をする。
―――花一つを、砂一粒を
人間と同物に見る事
神と見る事―――
これが野十郎の心情であったと紹介されていた。
花一つ、砂一粒、人間を神と見る、というのは、信仰者の目である。万物は神によって造られ、その寫し姿である。私は信仰者だけれど、「目があっても見えず、耳があっても聞こえず」の種類で、そのような見方がいつもできているわけではない。画家の目は真髄をとらえている。
野十郎を象徴するモチーフは蝋燭だそうである。蝋燭の絵はすべて同じサイズで描かれている(22.7cm x 15.8cm )。現在56点の存在が知られているとか。画寸以外はそれぞれが異なり、いずれも個人蔵。野十郎が大切な人へ感謝の気持を込めて一枚一枚手渡したらしい。
番組に出された作品は贋作で、鑑定額は¥5.000 だった。