リサイクルする思い出
2,3か月前のことになる。掲示板に「10時から11時のあいだにコロナの予防接種があります。談話室にお集まりください」という掲示が出た。10時に談話室に行くと、すでにちらほら人が集まっていた。
少しずつ人数が増えてきて、10時半頃には部屋はいっぱいになる。でも接種をする医師たちは現れない。私は10時から接種が始まるとばかり思っていたから、次第にイライラし始める。11時近くなり、私のイライラは沸点に達する。
私たちを見守るためだろう、介護士さんが一人ずっと同室にいてくれた。その時彼女がオカリナを取り出して、「頭を雲の上に出し」という童謡を吹き始めた。私たちを元気づけようとしてだろう。あまり上手でもなかったが、彼女の思いやりに心が和んだ。11時をすぎる頃になって、ワクチン接種のための医師と看護師たちがやってきた。
あの時のことが、ふと心をよぎることがある。こころにポッと灯が付くような感じがする。