ふるさとの画家


 

諏訪湖畔にある原田泰治美術館に行ったという知人に見せてもらった本から、この画家を知った。『泰治が歩く』という本は、彼のお父さんの手記の形式になっている。

泰治は武雄の次男として1940年に生まれる。幼いころ小児まひから右足が不自由になる。1941年には太平洋戦争が始まっている。家族の食べるものにも苦労をする貧しいお父さん。でも愛情いっぱいの家族。そのやり取りの中でも、私の心に残る場面がある。

お父さんは水田を作るため、水を求めて山肌を掘り始める。泰治はお父さんのそばで、お父さんに作ってもらっていた木琴をひいて、歌を歌う。トンネルのなかで響くその歌声は、「心の芯の奥まで浸みわた」ったと、お父さんが書いている。

さし絵で見るばかりだけれど、泰治の描く絵は何か温かい郷愁を感じさせる。










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