両手で顔を洗う喜び
右手中指がばね指になり、ステロイドを2回注射したりしたが、痛みが我慢できなくなり、手術をしてもらった。手のひらの指の付け根部分を2センチほど切開して、滑膜をとりのぞくということだった。手術の準備に1時間以上かかったが、手術そのものは15分ほどだったらしい。「らしい」というのは、手術台に寝かされ、伸ばした腕の付け根のところにカーテンがかけられて、向こうは見えない。手は部分麻酔。なにが起こっているのかわからないうちに、手術は終わっていた。
手術箇所をぬらしてはいけないとのこと。水仕事をするときは、お料理などに使うポリエステルの手袋をはめた。手術した指は腫れており、包帯もしているので、手袋も指先くらいしか入らない。朝、顔を洗うとき、ポリエステルで顔をなでるのも嫌で、左手だけで洗っていた。洗うというか、水で顔をぬらす感じである。
2週間ほどして、やっと抜糸になった。抜糸というから、切開部分を縫った糸を引き抜かれることを想像していた。実際は、切開跡のかさぶた状のものをピンセットで取り除くだけのことだった。 翌日から水を使ってよいとのこと。
待ちに待った朝、顔を洗った。片手でぬらすだけでなく、両手で顔を洗った\(^o^)/。こんなに嬉しいこととは思わなかった。当たり前だと思っていたことが、そうではなく、ありがたいことだったとわかった。