若鳥の想い
1975年1月5日、アッシジの巡礼宿の小聖堂で、私は終生誓願を立てた。ともに誓願を立てた28人のシスターたちは、スペイン、アメリカ、メキシコ、ポーランド、コンゴ、フィリピン、ドイツで、日本人の私をふくめて計8ヵ国から来ている、シスターの卵たちだった。私たちの共通語はフランス語しかなく、大体みんないい加減にしか話せない。「行った」と言いたくても、フランス語のaller は知っていても、過去形がわからないからaller と言ってから右手を挙げて後ろに振る、「行きましょう」なら前に向かって振る、といった具合。それでもなんとか通じ合って、3か月の養成機関を共に過ごし、1月5日に誓願式となった。
式をどこでするかについて、ローマの大聖堂でしたいという人もいたが少数で、私たちが毎日のミサにあずかっていた巡礼宿の小さな聖堂に決まった。
右の写真は、誓願式の時に自分の誓願文を私が総長のシスター・カマチョに手渡しているところである。写真が薄暗いのは、小聖堂で証明も薄暗かったからである。
ところで今年の1月5日は、この時からちょうど50年になる。「ああ、あれからもう50年か」と感慨深い。でもこんなことを今の共同体で話しても、誰も感心してくれない。ずっと以前に、金祝・ダイアモンド祝・プラチナ祝などを祝った人たちが大勢いるから。この共同体では、私はヒヨコではないかもしれないが、せいぜい若鳥か。
大勢の方々に助けていただき支えられて、神さまの恵みのうちに、ここまで来られた。
皆さまに、感謝。