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4月, 2023の投稿を表示しています

新しい住み家

4月7日、病院を退院して帰宅し、荷物をまとめて送り出し、22日に渋谷区にある修道院に移った。修道院全体が介護施設になっている。私の部屋に案内されると、ドアに小さなポストイットが2枚貼ってあった。一枚目には、Dear Ponko とあり、2枚目に Welcome to our home! その下に署名があった。以前、一緒に住んだことがあるシスターだ。少し物忘れが始まっていると聞いていた。でも、私のあだ名を覚えていてくれている。彼女自身も4月の初めに移り住んだばかりの場所なのに、"our home" と書いている。一緒に住むことを、喜んでいてくれる。なんだか嬉しくて、そのポストイットは今もこれを書いているパソコンのそばに張り付けてある。

ガーコ、来る!

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「コルセットをして、絶対安静にしていなくちゃならない状態です」整形外科のお医者さんに言われ、緊急入院したのは2月17日だった。運動をしている途中で、後ろ向けに倒れ、背中を打った。痛かったが、打ち身だと思い、そのまま一週間ほど普通の生活を続けていたが、いつまでたっても痛いので、病院に行った結果、即入院となった。 コルセットができるまでの10日間ほど、寝たきりの生活が続いた。コルセットができて、リハビリ室に行くことになった時には、立ち上がれず、車椅子で連れて行ってもらった。 病室は4人部屋で、私のベッドは窓側だった。ベッドと窓のあいだにキャビネットがあり、寝たきりの私の目に入る外界は、60センチほどの合い間からだった。 入院してちょうど3週間目の午後(入院中の出来事を毎日携帯に記入していた)、60センチの合い間から、対面の建物にカラスがとまっているのが見えた。まさか、と思った。同時に、私が今までのところにいないので、ガーコが探して、見つけてくれたのかなと思うと、とても嬉しかった。コロナ対策で面会禁止になっていたこともあり、人恋しい頃でもあった。 そのころ私はまだ起き上がれないので、写真もとれなかった。ガーコは(時には2羽)毎日のように来てくれた。自分の足で立てるようになって、携帯で写真を撮った。 下手な写真ですが、病室の感じが伝わるかと思うので、そのまま載せます。右上の二つの黒い点々が、2羽の烏です。  

短い小説

小説家のヘミングウェイが酒場で飲み友達と賭けをして、「おまえ物語を作る仕事してるんだから、六個の単語で物語を作れるか」と言われ、「できる」と言って、その賭けに勝ったというエピソードがあるとか。ヘミングウェイが作った物語というのは、"For sale: baby shoes, never worn."  日本語に訳すと、「売ります、赤ちゃんの靴、未使用」。晩年になってヘミングウェイは、あれが俺の最高傑作だって言ったとか。ヨシタケシンスケ著『思わず考えちゃう』に書かれていた逸話である。 この本を拾い読みする1時間ほど前に、私は録画していたTV番組「プレバト」を見ていた。千原ジュニアが    サンタへの手紙 貼られたままの春 を詠んでいた。17音使われているが、単語としては「サンタ」「手紙」「貼られた」「春」の4語。「への」「ままの」の2語を足して、6語になる。 「売ります、赤ちゃんの靴、未使用」も、赤ちゃんはどうなったのか、想像させる。俳句のほうも、手紙を書いた子はどうなったのだろう、親が離婚したのだろうか、などと思いめぐらしたくなる。 どれだけ少ない条件でその奥にある何かを表現する。俳句は優れた方法の一つといえるだろう。 追記 このブログの下書きをし公開する直前に、圧迫骨折をして、2か月間、入院をしていた。無事退院し、コルセットをして、よろよろと歩いている。