オモウをあらわす漢字
若松英輔氏の講演を聴く機会に恵まれた。岩下壮一神父と、その影響を受けた吉満義彦氏、ひいては遠藤周作をめぐりながら、キリスト教教育について話された。重厚で心に響くお話だった。1時間にわたるその講演をまとめることはできない。今振り返ると、ふと思い出されるのは、質問の時間になって、1人の女性がされた質問と氏の答である。
「苦しい時、ともにいてくださる方(神)がいらっしゃると思いたいけれど、思えないことがあります。そんなときは、どうすればいいでしょうか」という質問。それに対して、氏の答は、「オモウには、ふつう、田と心からなる漢字を使います。でも、オモウをあらわす漢字は、それ以外に10個あります。『念』もそうです。それ以外に9つあります」だった。
「思えなくとも、念っている」という意味であろう。慰められる感じがした。質問した女性もそうだっただろう。
weblio シソーラスで調べてみた。
たしかに11個あった。