谷内六郎館に行った

谷内六郎について書いた私のブログを読んだという人から、電話をもらった。「谷内の作品が大好きで、なんどか彼の展示館を見に行きました。行ったこと、ありますか?」と尋ねられた。私は展示館のあることも知らなかった。「それじゃ、そのうちにお連れします」と言ってくださった。

先日それが実現した。横須賀市の南東、海に面した丘に横須賀美術館があり、その一部が谷内六郎館になっている。美術館の前に広がる海の先に、房総半島が見える。私の住んでいるところから車で2時間ほどで到着した。

谷内六郎館には、彼の作品の一部50点ほどが展示されていた。右は「夕焼を消す人」いうタイトルの絵である。この絵を見ていると、夕焼がただの自然現象ではなくて、さまざまな想像を広がらせた子供時代を思い起こさせる。その郷愁から、固定概念から離れた世界に、知らずして連れていかれる。

「おとなは子どもの内部に入りこんでその原始のエネルギーを与えてもらうしかないようです」と谷内は言っているそうである。彼の絵は、そのエネルギーを媒介してくれる。

すてきな一日であった。新緑を見ながらのドライブ、久しぶりに見る海、谷内の絵の数々。いっぱい心に残ったが、なによりもこんな一日を作ってくださった方のご親切が、一番心に残った。40数年前の教え子さんである。



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