トラベル・ドクター
101歳一人、96歳二人、95歳一人、94歳一人と80歳の院長の計6人が、東京の修道院から1泊の予定で静岡県内のこちらの修道院に来られた。一人の高齢者に一人の介護者が付き、移動には専用の福祉車両2台が使われた。グループ全体は、日本旅行医学界認定医であるトラベル・ドクターが率いられていた。
高齢で、旅行をするなど、何年もできなかっただろう。特にコロナ禍が始まってからは、建物から出ることも、人と会うことも、ままならなかったに違いない。今回の旅を希望するかどうかを年長者順に尋ねたところ、皆さん希望なさったそうである。ずっと以前、こちらに住んだり、来たりしたことがある方たちである。聖堂と墓地を見たい、墓地では納骨堂の中も見たいとの希望があると聞いていた。
1日目は昼頃到着のはずが、東名高速が事故か何かで混んでいて到着が遅れ、2時近くになった。遅い昼食後、聖堂を訪れる。聖堂は建物の2階にある。車いすの方たちが3人いるので、聖堂につながる別の建物から入る。聖堂に着くと、アンサンブル・クラブの生徒たちが演奏で迎えた。
夜は全員こちらの黙想の家に泊まられた。二人の介護者は、交代で起きて、見守りをなさったとのこと。
2日目の今朝、ミサの時に皆さんにお会いできた。ドクターや介護の方たちも参列なさった。ミサ後、朝食前に、皆さんとしばらくおしゃべりできた。
朝食後、一行は墓地に行かれた。納骨堂には、狭い急な階段を降りて行かなくてはならない。一人ずつ順に、支えられながら、歩いて降りられた。納骨堂の椅子に二人が座り、そこでお祈りをする。二人が上に戻ると、次の二人が行く、というふうに順にお詣りをなさった。
昼食後、同行の院長が、介護の方々に感謝のカードを差し上げていた。それから私たちも加わって、集合写真。1時半に出発準備開始。2時、発車。
2日ともにいい天候で富士山も見え、日中は暖かだった。高齢者の方たちはお疲れかもしれないが、楽しんでくださったと思う。私たちも何年ぶりかでお会いできて、嬉しかった。
大きな費用が掛かっているに違いないこの旅行は、ある篤志家のプレゼントだそうである。