アローンサウルスの宝物

先日、TV番組「なんでも鑑定団」に登場した依頼者は、40歳代の男性で、恐竜オタクとでもいえる人だった。本職は宗教学者で、大学で教鞭をとっている。恐竜化石の収集が趣味で、母校成城大学の協力を得て、大学敷地内に恐竜化石ギャラリーを作り、150点ほどの恐竜の化石を展示する。収蔵品はすべて彼個人のコレクションである。

実家暮らしをし、服を買わない、旅行に行かない、おいしいものを食べない、女性との付き合いは遠慮する、などして、給料を全額恐竜化石に投入するとの話に、番組の司会者に「アローンサウルスですね」と言われていた。

鑑定を依頼した品は、全長7メートルほどのモササウルスと呼ばれる恐竜の化石である。8部分に割れているが、前ひれが一つ欠けるだけで、ほぼ完全体である。3年ほど前にイタリアの知人から1千万円ほどで購入したとのこと。

本人の評価額は1千万円だったが、専門家の鑑定額は2千万円だった。2020年に海外の研究者たちがガビアリミムスという種類で、モササウルスのなかでも新種として発表したばかりだそうである。

恐竜に全く興味がない私には、何が面白いのかわからない。でも、〇〇オタクというような人たちによって新しい発見がなされていくような気がする。


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