103歳の笑顔
きのう午後、「お知らせがあるので、集まってください」と連絡があった。集まる場所に行くと、ちょうどその前の部屋から車いすに乗った103歳のシスターが出てくるところだった。その笑顔をを見て、なぜか私はホッとし、なごんだ。穏やかさいっぱいの笑顔だった。
院長からの連絡の内容は、一人のシスターの容態が悪く、今日の夜かもしくは明日が最後だろうということだった。重い内容を聞いたが、私の心にはさっきの笑顔からもらった穏やかさが続いていた。
同時に、私は、とんがり続けている自分に気づいた。マスクをしていない人、廊下を散歩する人、おしゃべりする人、などを見かけるたび、キッとなっている私。あの笑顔は、鏡のようだった。
あんな笑顔はどのようにして生まれるのだろう。以前、圧迫骨折で入院しているときに、『脳波はなにげに不公平』という本を届けてくださった方があった。そのなかで今でも覚えている一つは、「嬉しいから笑顔になるのか、笑顔をすると嬉しくなるのか」というと、「笑顔をすると嬉しくなる」というのも事実だとのこと。103歳の笑顔は、すべてを喜んで受け止めている笑顔かな、と思う。