心のなかの敵
私の心のなかに敵がいる。朝起きて、ラジオ体操をしながら、ふと気づいた。ウクライナが可哀そうだ、ウクライナが勝てばいい。テレビのニュースなどを見て思っている。それはそうだけれど、ロシアは?
ロシアは戦争に負ければいい、と思っている。私の心のなかでは、敵である。でも、考えてみれば、戦争をしているロシア兵士たちにも、家族があり、子どもたちもいるだろう。どんな思いで戦っているのか。一人ひとり違うだろうけれど、彼らにも恐怖心があるだろう。人を殺すことについて、戦争に対する疑問、などなどを押し殺しているかも。
心のなかで敵を作っている状態は、平和への道ではないだろう。まずは、自分の心のなかの敵をなくすことが、今の私にできることだ。
午後になって、こんなことを書き留めようと窓際のパソコンに向かっていると、カア・カア・カアとカラスの鳴き声がする。目を上げると、目の前の建物のてっぺんにカラスがとまっている。すぐに携帯で写真を撮った。建物頂上の三角の左に見える黒い点がカラスである。しばらくすると、カラスはビルから下りてきて、手前のバルコニーの囲いの上を、ヒョコヒョコヒョコと横切った。
このカラスが裾野のガーコだと、今は確信している。私の心の変化を感じ取ったのか。裾野では二羽、時には三羽いっしょだったのが、一羽だけなのが気になる。捕獲されたのでないといいのだけれど。