オーさんとカサ・デ・アミゴス
前回のブログで触れた重症だったシスター(通称オーさん)は、院長のお知らせの後、まもなく帰天した。97歳だった。夕食後、みんなで集まって、シスターのために祈った.
飲み物を手渡されたり、車椅子からずり落ちそうになっているのを引き上げられたりするたび、必ず大声で「ありがとうございます」と言っていたオーさん。
オーさんは、教職の資格があったにもかかわらず、教職員を支える助修女として修道会に入会を希望して、生涯、その仕事を続けた。高齢になってから静岡県裾野市に派遣され、日曜には三島教会のミサにあずかっていた。そのうちに、教会でお知り合いになった方たちーー信者でもと看護師さん、定年退職後の男性の信者さんーー、どこで知り合ったのか、教会と関係のない、工業高校の法律に詳しい先生、共産党員の男性などの方々と、カサ・デ・アミゴスを結成した。目的は、在日外国人の援助である。
フード・バンクや事業所から賞味期限切れやそれに近い食料をもらい受け、困窮している家庭に配る、お役所の手続きなどに同伴して助ける、不当解雇などの交渉をする、などなど。仕事はすべて無料奉仕だったが、もらった食料を一時置いておく倉庫を借りるための賃貸料、食料をもらいに行くためのガソリン代などが必要で、もっぱら寄付に頼りながら、活動を続けていた。
カサ・デ・アミゴスの活動が20年続き、お祝いをした。その集いから帰る途中、オーさんは転んで、片方の肩を骨折し、入院したりしている間に、体力を失っていった。そして、東京にある病人のための修道院へ移動になった。
オーさんがまだカサで活動しているころ、ペルー人の女性の息子さんが東京の有名な私立大学に合格した。学費に困っていたので、カサが学費の一部を貸与して、息子さんは無事その大学に入学でき、卒業し、Googleに就職した。大海の一滴かもしれないが、カサは天下のGoogleに貢献している。
カサ・デ・アミゴスは2・3年前、30周年を迎えた。今もその活動は続いているが、活動を続ける人たちも高齢化しつつある。いい活動が続けられるよう、オーさんが天国から支えてくれますように。