最善の贈り物
今道友信氏の書かれた『出会いの輝き』で出会ったエピソードが心に残った。
フランスで学んでいた氏が、帰国する前、師事していた哲学者ガブリエル・マルセルに挨拶に行ったところ、
「人間が人間に贈ることのできる最善の贈り物は何でしょう」
と尋ねられた。そして、ご自分で
「それはいい思い出です」と言われた。「どんなものでもこの世のものは結局は滅びていく。壊れていく。しかし、いい思い出はその人が意識を持っている限り一生続くものです。語り伝えられれば、その人の死後も続く。お互いに他人にいい思い出をあげられるような人間になりたいものですね」