鳥の言葉

シジュウカラの鳴き声を研究し、それが言葉であり、文法をもつことを見つけた人がある。鈴木俊貴氏で、近著『僕には鳥の言葉がわかる』(小学館、2025年)には、シジュウカラの言葉の研究の過程と成果が、わかりやすく、楽しく述べられている。

シジュウカラは自分の仲間たちばかりでなく、同類の鳥たちやリスともコミュニケーションができるという。ジェスチャーでコミュニケーションをとることもあるとか。

――「動物には言葉がない」 、「人間が最も高度な動物だ」、「人間は自然を支配する特別な存在だ」と言葉を並べ、そう思い込んできたのである。
 そして、とうとう動物たちの言葉を理解できなくなってしまった。それどころか、自然とのかかわり方も、共生から利用へと変わってしまったのだ。今日解決されていない諸々の環境問題も、こうした井の中の蛙と化した人間たちの暴走によるところが大きいと、僕は思う。このままでは、そう遠くない未来、人類も地球も滅びるだろう。
――(同上書161-162頁)

シジュウカラは人間と同じことができない。しかしシジュウカラから見れば、人間にできないことがいろいろある。自分も動物であることを忘れかけている私に思いださせてくれることが詰まっている本だった。

カラスの言葉がわかりたいなぁ、と思った。


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