鳥居を通って昇る太陽

秋分の日、鳥居の真ん中を太陽が昇る神社について、9月26日の朝日新聞朝刊に記事があった。一般的に神社は南向きが多いが、この神社は真東を向いているとのこと。日の出の瞬間、太陽光は鳥居の真ん中を通り、奥にある本殿まで届く。浜松市にある六所神社という名で、地元の郷土史家の小杉順哉さんによって、9月23日に確認されたという。鳥居に「朝日宮」の名があり、小杉さんは「どこに朝日と関係があるんだろう」と思い続けていたそうである。 

メキシコのピラミッドの階段に、春分の日と秋分の日の夕暮れ、太陽がヘビのような影を投げかけるという話を聞いたことがある。1000年以上前に古代マヤ文明によって建てられたピラミッドとかで、すごいな、と思っていた。天文学的知識と建造物とが結びついている。

それと同類の建物が、日本の、それも私が住んでいる静岡県内にあると知り、なんだか嬉しくなる。この神社の正確な資料は残されていないものの、927年に全国の神社をまとめた「延喜式神名帳」に記載のある「朝日波多加(はたか)神社」の候補の一つとみられるという。もしそうであれば、マヤのピラミッドと同年代に建てられたことになる。

六所神社や近辺地域に資料も言い伝えも残っていないのは、1000年とまでいかなくとも、ずっと時代をさかのぼるからであろう。この神社が示す天文学的知識は、人々が自然の神秘と恵みに畏敬と感謝の念をもって建造したであろうことを思わせる。この神社だけのものとは考えられない。もしかすると日本の他の地域でも同類の神社やお寺があるのではないか。知られていないだけなのではなかろうか。



動揺の神社やお寺がほかにも

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