なつかしい方言たち

「あきない世傳 13」(高田郁著)を読んだ。江戸時代、関西に生まれた女性が江戸に出て、呉服商として成長する過程がシリーズで描かれている。この小説をシリーズを通して読み続けたのは、内容もあるが、関西出身の登場人物たちが使う関西弁をなつかしく感じるせいかもしれない。私は関西生まれの関西育ちである。東海地方に住む最近は、関西なまりは残っているだろうけれど、関西弁を使うことはない。高田さんの小説を読みながら、子どものころ使っていた言葉の意味が、あらためてわかった気がする。

今回、目に留まったのは、「仰山(ぎょうさん)」「気術無(きずつない)」「味様(あんじょう)の3つだった。

ぎょうさん(=たくさん)の人だかりだった」
「先生に文句を言うのはきずつない(=気がひける)」
「修理、あんじょう(=うまく)やってくださいね」

こんな使い方をする。今は使わない言葉に触れると、なつかしい。

今でも使っている方言もある。「あー、疲れた」ではなく「あー、しんど」と言うと、心底ほっとする。


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