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4月, 2024の投稿を表示しています

嬉しいお手紙

表紙に金色と銀色の羽が一枚ずつあしらわれた美しい封筒を受け取った。便せんも封筒と対になっていて、金色と銀色の羽の模様入りだった。 お便りには、次のようにあった。 ――マザー・ブリットのことを調べようとしていたら、ポンコ記というブログを見つけました。ポンコというのはシスターMのことだろうと思い、お手紙を書きたくなりました。ガーコがお友達と知って、カラスの模様の入った便箋と封筒を探したけれど、見つからないので、羽の模様入りになりました―― 差出人は、半世紀以上以前の教え子さん。「私のこと、覚えていらっしゃらないかもしれませんが」とあったが、私はよく覚えていた。この3月でお仕事を定年退職したこと、これまでの年月にあった山あり谷ありの出来事がつづられていた。 美しい封筒と便箋をわざわざ見つけて書いてくださったお手紙に、心がポカポカした。定年後の人生、どうぞ楽しんでください。

花束のプレゼント

きのう夕方、散歩に出かけた。いつもと同じ住宅街の裏道である。お店など一つもないこの通りに、一軒だけ花屋さんがある。2階建てのお店で、2階にはランの鉢とかバラなどの切り花が売っているらしい。花束を手に階段を下りてくる人を見かけたりする。 1階から2階にかけてを、うまくひな壇のようにしつらえ、花や植物が置いてある。小さな鉢からちょっとした高級なものもある。お店の前を通ると、花畑のような香りがする。散歩の途中、このお花畑の香りを楽しませてもらう。毎日のように通るから、お店のご主人と目礼を交わすこともある。 いつも夕方に散歩に行くのだが、お財布を持たないようにしている。500円前後で買えるものもあり、あれこれ欲しくなってしまうからである。一番誘惑になるのは、サービス・ブケ―のコーナーで、ちょっとした花束が550円で買える。 きのうも香りだけを楽しませてもらい、帰り道に着いた。するとすぐ前を歩いていた女の子が、クルリと振り返り、手に持っていた花束を私に差し出してきた。サービス・ブケ―にあったバラの花束が簡単な包装をされていた。金髪の巻き毛のその子は小学校高学年くらいか。「いいの?ありがとう」と言って受け取った。花束を手渡すと、その子は一言も話さず、回れ右をして、さっさと行ってしまった。 夕方だったけれど、朝からの一日がピカピカと輝くように感じた。バラはピンクというか桜の花びら色で、3本の枝に花とつぼみが10個ついていた。あの子はどんな気持で私にくれたのだろう。など考え始めたが、いやいや、喜んでいただくのが一番だろう、と自分に言い聞かせた。 今、バラたちは廊下の花瓶で満開である。

ガラケー騒ぎ

ガラケーの画面が真っ黒になった。いつものボタンを押しても、何も起こらない。近くのドコモショップに電話をして、予約を取り、介助の人に付き添ってもらって行った。ショップの人は携帯をチェックして、「電源ボタンがオフになっています」とのことだった。電源ボタンを押すと、即もとに戻った。 付き添ってくれた人も、少々あきれ顔。私のこと、大丈夫かなと思ったみたい。 帰ってきて、よくよく考えた。通常使っているケイタイの電源をオフにするには、電源ボタンを長押ししなくてはならない。私にはそれをした記憶がない。急にケイタイの画面が真っ暗になり、何も反応しないので、パニックになった。だいたい、スマホを使う勇気もない機械音痴だ。 それにしても、切ろうともしていない電源が、なぜオフになったのだろう。ネットで調べたら、「極熱」で電源自動オフとあった。 私の部屋は西向きで、午後は西日がさんさんと入る。窓辺のスチールデスクは温かくなる。ここのところ、夏日のような気温の日もあった。机の上に置いてあったケイタイが「極熱」の状態になったのではないか。 こう考えると、自分では納得がいく。機械音痴の自己弁護か。