♪愛のわざ♪
私の属している修道院は全員がなんらかの介護を必要としている。毎週木曜にはコロンバン会の神父がミサに来てくださる。その他の日は集会祭儀をする。集会祭儀とは「ミサもどき」と呼んだりするが、ミサの式次第を使って、司祭ではない者が司会をする。聖体拝領は聖櫃(せいひつ)に安置してあるご聖体を、司会者が一人ひとりに配る。
ここのところ暑くなってきて、私たちが集まる小聖堂も冷房を入れている。私は冷えから腸閉そくに3度なったこともあり、冷房を避けて聖堂の入り口近くの外側に、スツールを置いて座っている。
きのうのことだった。聖体拝領のため中に入った。司会者の人がすでに中にいる人たちに聖体を配っている。入り口近くに遠慮がちに立っていると、中にいた一人のシスターが司会者の人に私を指さしてくれた。
93歳になるその人は、脳こうそくの後遺症で歩行器を使っていて、認知障害もある。その人のこのような細やかな心遣いに驚きもしたが、胸がポカポカした。
♪愛のわざはちぃさくても
神のみ手がはたらいて
悩みの多い世の人を
明るくきよくするでしょう♪
この讃美歌を思い出すできごとだった。