「ぼく」と「おなら」――まど・みちおさんの詩
まど・みちおさんの詩集『いわずに おれない』を読んでいる。心に残ったものを、二つ引用する。
ぼくが ここに
ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない
もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない
ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにも
その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として
おならは えらい
おならは えらい
でてきた とき
きちんと
あいさつ する
こんにちは でもあり
さようなら でもある
あいさつを…
せかいじゅうの
どこの だれにでも
わかる ことばで…
えらい
まったく えらい